研究概要 |
本研究の目的は、視覚障害者の歩行時の心理的負荷を軽減するための適切な方策を見出すための基礎的研究として、歩行が点字ブロック上であるか否かによる、白杖の動きの違いを検討することであった。 白杖の動きの測定には、ARTIST G120 Intelligent Sensing Device(応用計測研究所製)を用いた。これは、X,Yの二次元座標を毎秒最大60回2チャンネル同時記録できる装置である。具体的には、白杖上に取り付けた、発光点を感知し、その座標を読み取らせた。なお、今回は1チャンネルのみ使用し、サンプリング頻度は毎秒5回とした。 点字ブロック上では、1秒間に1往復程度の白杖の動きが、持続している見られた。振れ幅は、個人により異なり、また、体の中心の移動も認められた。 通常路(点字ブロックがない)上での白杖の動きの特徴的な点は、振れ幅がかなり大きくなる場合のあることである。探索範囲が、かなり広くなっている。点字ブロックがない場合、コースの確保と、障害物の探索は白杖一本にかかっているわけであり、このことが数値として現れている。 今後の検討点として、点字ブロック上での体の移動の様相が第一に挙げられる。
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