研究課題/領域番号 |
08610162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 湊川女子短期大学 |
研究代表者 |
フェルトン 晴子 (大島 晴子) 湊川女子短期大学, その他部局等, 助教授 (20249494)
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研究分担者 |
吉田 仁 大阪府済生会野江病院, 呼吸器科, 医師
高木 徳子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (80077396)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 大震災 / PTSD / 高齢者 / 在宅酸素療法者 / 価値観 / 喪失感 / 信頼感 / 死の意識 |
研究概要 |
1995年1月17日未明の阪神大震災は多くの家屋を破壊し、5000人以上の死傷者を出す大災害で、辛くも生き残った高齢者たちにとっても深い心的外傷体験をもたらすものであった。本研究は日常生活で生きていく上で、酸素機器(電気差し込み式)を必要としていた在宅酸素療法の60才以上の75名高齢者(震災半年後に大阪済生会呼吸器科医師団による聞き取り調査資料から)が、呼吸機器が使えない状況の混乱の中で何を感じ、どう生き延び、震災ショックがどう緩和されてきたのかを記録することにある。震災を原因とする身体及び精神的混乱の状態を震災直後、及び被災6ヶ月以上経過した時点での経時的変化について検討した。また同じく震災の被災者で、身体的には酸素機器を必要としない18名(1997年6月〜9月、了解の得られた阪神間の仮説住宅在住者を対象にしたアンケート調査資料から60才以上を抽出)の高齢者との比較検討も試みた。 その結果以下のことが判明した。 1.身体スコア:身体症状は本来地震と直結する要素で現れ、被災半年後には有為差をもっての回復がみられた。震災直後に訴えられた、食欲減退、不眠、頭痛などの症状も時間の経過とともに少なくなり、異常で極端な環境状況が変われば、時間とともに身体症状は緩和されることを示唆した。 2.喪失感・獲得感:有為差をもっての回復には至らないが、100分率平均では、在宅酸素療法者の高齢者と酸素機器を必要としない高齢者もともに約10%の回復を示した。 3.PTSD:多くの因子で有為差が生じた上、経時的に見ても各因子の対応検定では有為差をもっての回復がみられなかったことは、各背景因子の影響が持続し、影響をうけていることが考えられた。 4.健常高齢者の場合:PTSDでは、震災直後では有為差が認められなかったが、半年後に晩発的に認められた。
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