研究課題/領域番号 |
08610222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 九州女子大学 |
研究代表者 |
蘭 由岐子 九州女子大学, 家政学部, 講師 (50268827)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ハンセン病 / ハンセン病療養所 / 病いの経験 / ライフヒストリー / アサイラム / 家族意識 |
研究概要 |
今年度の研究目的は、療養所入所者の意味世界をさらに追究することにあった。また、同時にその方法論的検討も必要としていた。これらの目的にそって、国立療養所菊池恵楓園および国立療養所宮古南静園にて、入所者にインタビューを重ねた。後者におけるインタビューでは、沖縄独特の、ハンセン病に対する比較的寛容な態度と米軍基地の存在が入所者の人生に関係していることがわかり、本土の他の療養所と異なることを確認した。どちらもハンセン病者にとって、比較的プラスに働いていたようである。ただし、戦時下における「祖国浄化」をねらったハンセン病政策は本土と変わらぬ様相を呈しており、強制収容された古老の回想は憤怒に満ちていた。 また、過去(昭和40〜50年代)の自治会機関誌の内容分析を、菊池恵楓園の『菊池野』を対象におこなった。この時期、療養所自治会は、予防法闘争も落ち着き、実質的な福祉の向上をめざして活動していた。入所者の心情は、文芸(短歌)にあらわれており、数年間のスパンでながめると、それぞれの作者のライフヒストリーが短歌にあらわれてくることが明らかとなった。 さらに、方法論的検討は、昨年度から検討していたアーサー・クラインマン等の「病いの経験」研究を土台にしておこない、第71回日本ハンセン病学会(宮古南静園)にて「ハンセン病という『病いの経験』」と題して口頭発表した。ハンセン病者の人生とその語りを治療者および聴き手に引き付けて解釈する場合には、病者をとりまく文化・社会的経験と個人的経験との相互関係を考慮に入れながら、病者に関するミニ・エスノグラフィを再構築し、検討することが必要であることを指摘した。それは同時に病者自身をエンパワーする過程でもあった。 最後に、この3年間の成果にもとづいて報告書を作成した。
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