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病弱児の心理的援助にかかわる授業の研究-「養護・訓練」の領域において-

研究課題

研究課題/領域番号 08610308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育学
研究機関国立特殊教育総合研究所

研究代表者

矢吹 和美  国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 室長 (70099943)

研究期間 (年度) 1996 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード病弱児 / 心理的経験 / 葛藤 / 行動化 / 身体化 / 授業 / 心理化
研究概要

心理的援助を必要としている病弱児の問題は、葛藤が行動化や身体化されて現れることである。そうして現れ出たものは、医療的ケアーの対象や問題行動として指導の対象として理解されることが多く、その意味することが何であるかと理解されることは少ない。
病弱児の葛藤は、それと気づくことなく、学習の場の中にしばしば表れ出ることが経験的に知られている。病弱児は、自身の心の体験を、授業で使われる教材に投影して表現することが多いのである。病弱児によって、こうして表現されたものが、自分の心理的問題への気づきやその克服をはかる出発点として受け止められるならば、身体化や行動化によって表している葛藤を心理的なこととして意識できるであろう。
本研究は、心理的問題をもつ病弱児に対して、学習の場の中に現れでたものを手がかりとして、心理的問題の克服の過程を授業を通して体験することによって心理的援助の実現をみようとするものである。
学習教材は、病弱児の葛藤状況に重なるような心理的経験内容を持ち、かつ葛藤の解決もしくは解決への可能性が示されているような内容を持つものが選ばれた。困難をかかえた病弱児は、その授業の中で、体験されていたであろうけれども、それと意識する事のなかった自身の問題に通じる内容を言葉にしていくことを経て、結果として葛藤の解決を得たことに気づく。このような体験をした病弱児は、自身の抱えていた葛藤に心理的なこととしてかかわることができるようになった。また、このような授業は、あらかじめしつらえられた意識的な教育計画に基づいてなされるような授業形態をとらないので、客観的にプログラム化されることになじまず、意味を追求していくような態度が必要とされることが明らかにされた。
心理的な問題の克服過程を授業の中で体験するという本研究の試みは、教育の場に心理的援助が強く求められている昨今の状況において寄与するところが大きいものと思われる。

報告書

(4件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 矢吹和美: "病弱児における心理的援助にかかわる授業の研究" 教育と医学. 46、10. 81-83 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 矢吹和美: "「先生、絵でからだで発言していい?」-「ある」と「思う」をつなぐ想像活動-" 病弱児の事例研究(第20集). 63-77 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yabuki Kazumi: "A study of lessons related psychological care in education for health impaired" Education and Medicine. Vol.46, No.l0. 81-83 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yabuki Kazumi: ""May I express with pictures or my body ? "-imaginative activities to tie "being" and "thinking" together" Case study of health impaired. Vol.20. 63-67 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 矢吹和美: "病弱教育における心理的援助にかかわる授業の研究" 教育と医学. 46,10. 81-83 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 矢吹和美: "「先生、絵でからだで発言していい?」-「ある」と「思う」をつなぐ想像活動-" 病弱児の事例研究(第20集). 63-77 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 矢吹 和美: "身体から言葉へ、そして意味へ" 病弱児の事例研究(第19集). 29-40 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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