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ラテン・アメリカにおける博物館と国家の関係

研究課題

研究課題/領域番号 08610324
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関天理大学

研究代表者

関 雄二  天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50163093)

研究期間 (年度) 1996 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード博物館 / 古代文明 / 考古学 / 文化行政 / 国家アイデンティティ / 先住民擁護主義 / メスティサッヘ / メスティッサヘ / ラテン・アメリカ / 国家 / 展示
研究概要

本研究の目的は、ラテン・アメリカ諸国が有する文化遺産、とくに考古学的・民族学的収集品に焦点をあて、各国博物館での展示を分析することで、国家が博物館を通じて国民に伝達しようとしているイメージを読みとることにある。古代文明の栄えたメキシコでは、同国の東端で栄えたマヤ文明よりも、首都メキシコ・シティー直下に埋もれたアステカ文明との関係を強調し、国旗やさまざまな公的機関の紋章などにシンボルを借用しているばかりか、国立博物館の展示でもアステカへの比重を過剰なまでに高め、政治性を発揮させていた。一方で、ブラジルの場合、独立が平和的に達成されたゆえに、本国ポルトガルに対抗する形でのアイデンティティー形成は行われず、博物館では植民地称揚がテーマとなっていた。これに対して、ペルーの場合、メキシコと同じような古代文明を有しているにもかかわらず、別の形態がとられている。遺跡の破壊に代表されるように、古代文明に対する植民者たちの蔑みが植民地時代には見られた。また独立時においても、メキシコのように直ちに考古学や博物館の育成・整備に入ることはなく、具体的な文化行政には見るものがなかった。チリとの太平洋戦争敗戦後に、ようやく外国人研究者の力を借りて国家アイデンティティ形成に博物館を活用しようとするものの、頓挫している。また先住民擁護主義の思想が席巻した今世紀前半においては、古代文明をペルー統合の論理的な根拠には据えたが、現存する先住民との連続性を博物館が提示することはなかった。こうした古代文明と先住民性との連続性を国家が認識し、さらにスペイン文化との融合こそ、現代ペルーの存在基盤であるという混血性(メスティサッヘ)の思想にたどり着くのは、ごく最近である。しかし現実レベルでは、こうした思想が博物館行政に反映しているとは思えず、博物館や古代文明の消費方法がラテン・アメリカ各国でかなり異なることがわかった。

報告書

(4件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (17件)

  • [文献書誌] 関 雄二: "「盗掘者の論理」と「発掘者の論理」-ペルー北部の遺跡保護をめぐる諸問題-" 天理大学学報. 183. 197-214 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 関 雄二: "近代ペルーにおける考古学の消費-国立博物館の誕生と民族の隠蔽-" 民博通信. 85 印刷中. (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 藤巻正巳(編): "異文化を「知る」ための方法" 古今書院, 242 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤泰建(編): "文明の創造力" 角川書店, 350 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 関 雄二: "文明財保護の思想" 角川書店 仮題 出版予定, 250 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yuji Seki: "Huquero y archaeologist : some problems about the protection of the archaeological ruins in the northern coast of Peru." Tenridaigakuho. 183. 197-214 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yuji Seki: "How to utilize the archaeology as political strategy in the first half of the 20th century at Peru?" Minpakutsushin. 85 (in Press). (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Masami Fujimaki: The Way to "Interpret" the Foreign Cultures.Kokon Shyoin Pub.Co.Ltd., 242 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasutake Kato: The Creativity of Civilization.Kadokawa Pub.Co.Ltd., 350 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yuji Seki: The Concept about the Protection of the Archaeological Ruins.Kadokawa Pub.Co.Ltd., 250 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 関 雄二: "近代ペルーにおける考古学の消費-国立博物館の誕生と民族の隠蔽-" 明博通信. 85(印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 関 雄二: "『文化財保護の思想』" 角川書店(仮題 出版予定), 250 (2000)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 関 雄二: "「考古遺物と社会変化」" 『民族学研究』. 62巻4号(印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 関雄二: "『アンデスの考古学』" 同成社, 296 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤泰建・関 雄二編: "『文明の創造力・古代アンデスの神殿と社会』" 角川書店, 350 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 関雄二: "「盗掘者の論理」と「発掘者の論理」" 天理大学報. 第183輯. 197-214 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 藤巻正巳・住原則也・関雄二編: "『異文化を知るための方法』" 古今書院, 242 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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