研究概要 |
最近の10数年間に出版された、唐代貴族制研究にとって必須の史料である、墓誌拓本写真版17種(総点数16,000余点、実総数5,500余点)を整理・編年仮して、これを基本データと為し、更に既存の唐墓誌をこれに加えることによって、現存唐代墓誌の全貌を容易に把握することができる、《現存唐代墓誌の総合目録》を1996〜1997年度の2年間に編集することを研究目的とした本研究は以下のような成果をあげた。(1)まず、近刊唐墓誌を編年・整理した、目録基本台帳を作り、(2)次に、かかる台帳のデータをコンピュータに入力することによって、データベースを完成した。(3)このように基礎データがまとめられたことで、現存唐代墓誌の総体を逐一点にいたるまで通覧・精査することができるようになったのみならず、(4)この総合目録の中から、現在まで半世紀余りにわたる長期の間、全く展望することが困難であった、現存唐代墓誌の全体像が遂にほぼ完成に浮かびあがってきた。本報告書の中にはこのような研究成果(データベース、とその全体像の展望)のすべてが収められているわけではなく、経費の都合上、六篇の論稿を通じて、その成果の一部が盛りこまれているのであって、成果全体の公表は機を改めて行う予定である。
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