研究課題/領域番号 |
08610415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | (財)古代オリエント博物館 |
研究代表者 |
脇田 重雄 , 財団法人・古代オリエント博物館・研究部, 研究課長 (00175069)
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研究分担者 |
和田 久彦 , 財団法人・古代オリエント博物館・研究部, 非常勤研究員
石田 恵子 , 財団法人・古代オリエント博物館・研究部, 研究係長 (30132757)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | シリア / テル・マストゥーマ / 青銅器時代 / 鉄器時代 / 出土遺物 / 比較研究 / 土器編年 |
研究概要 |
1.海外学術調査、国際学術研究による8回の発掘で得られたテル・マストゥーマの出土遺物を基礎に、北シリアの青銅器時代から鉄器時代に至る文化編年の構築を目的とした出土遺物の比較研究は、研究協力者として第2期発掘に参加した若手研究者によって積極的に研究成果が纏められた。 2.鉄器時代の西アジアで広範に出土しているアッシリアン・ボウルと呼ばれる坏型の土器については、研究協力者の足立拓朗が、資料を集成して型式分類を行い、テル・マストゥーマ及びイドリブ地区周辺の出土品について編年的な位置づけを試みた。 3.研究協力者の西山伸一、吉澤悟によってアシュタルテ像57点の詳細な観察結果が纏まり、集落内におけるコンテキストから像の機能的な様相を提示することができた。この像と共伴した搬入土器などからは、ペルシア帝国の支配を受けながらも西方との交流も盛んであったことが窺えた。 4.第2期発掘で出土した金属器は131点で、材質による出土率のの推移を見ていくと、第1-3層(前10世紀頃)では少なかった鉄製品が、第1-2層(前9世紀頃)には青銅製品を上回っていた。鉄製品の普及という観点からみると、テル・マストゥーマの鉄器時代における画期は第1-2層にあったことが明らかとなった。研究協力者の津本英利の金属器研究と併行して、岩手県立博物館の赤沼英男氏に鉄器の科学的分析を依頼した。分析を行った4点の鉄器は、いずれも鋼製鉄器に分類された。 5.その他、石製品や骨角貝製品、さらに科学的分析結果がまとまり次第、「古代オリエント博物館紀要」などで逐次公表していく予定である。本基礎研究を実施して、出土遺物だけでなく建築遺構や集落構造などの基礎資料を加えた総体的な比較研究を行う新たな段階に到達した。
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