研究課題/領域番号 |
08610422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
豊島 正之 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10180192)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | キリシタン資料 / スピリツアル修行 / 写本規範 |
研究概要 |
本年度の研究は、当初、根本写本である東洋文庫本(東京駒込)の書誌的調査と、その入力を中心に行う予定であった。 ところが、この調査に就ての予備的報告に接した天理大学附属天理図書館より、同図書館にも、同時代・同趣の写本を蔵し、しかも未だ研究者の調査に供していないので詳しく調査されたいという連絡があり、急遽、この天理本の調査も併せて行った。この際、東洋文庫本の共同調査者である石塚晴通(北海道大学文学部教授、東洋文庫評議員)に同道を願い、その書誌学的指導を受けつつ、調査を行った。 天理本は、紛れもなくキリシタン時代の「スプリツアル修行」の国字写本であり、成立は東洋文庫本と、ほぼ同じと思われる。指定品であるため、十分な調査を完遂する事は出来なかったが、その写真を入手して調査を行った。 この結果、天理本の表記は、多くの漢字を交え、しかも一般のキリシタン国字本とは全く異なる用字法を持っており、あまつさえ、書写に当たった信徒がラテン語の難語を問い合せた覚書も残っているため、国字写本の成立に関する極めて重要なデータを提供するものである事が知られた。しかし、何分、年度途中に発見された、学会未知の新出写本でもあり、十全な対照研究は完了していない。このため、東洋文庫本のデータ入力と並行して、天理本の入力も進める事とし、更に両者を対照した研究として発展させ、次年度以降に、更に国字本対照の研究を行う事を計画している。 尚、申請者が年度中に配置換えとなったため、当初計画に対して、ネットワークを利用した研究態勢を調えるための支出を行うよう、若干の変更を加えた。
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