研究課題/領域番号 |
08610432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
柳田 征司 奈良女子大学, 文学部, 教授 (10036410)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 抄物(しょうもの) / 禅宗無門関抄 / 雪庭春積(せっていしゅんせき) / 東国方言 / 古活字版 / 整版 |
研究概要 |
抄物は、日本語研究資料として価値が高く、これを利用して多くの研究成果が上げられてきたが、近時その研究の停滞が言われている。この停滞を乗り越える一つの道は徹底した資料の発掘・整備にあると考えられる。本研究は発掘・整備の遅れている仏書の抄物の一『禅宗無門関抄』の発掘を行い、目録を作成して、日本語研究資料としての有効性を解明しようとしたものである。 1、発掘・整備と目録作成 既に調査していた『禅宗無門関抄』に新たに発掘・調査しえた資料を加えて、抄者にの学統ごとに、(1)曹洞宗僧の手になる抄物、(2)浄土宗僧の手になる抄物、(3)臨済宗幻住派僧の手になる抄物、(4)臨済宗大応派僧の手になる抄物、(5)その他、に類別し、目録を完成した。 2、日本語研究資料としての有効性 (1)『禅宗無門関抄』には、抄者を異にする26種類のものが存し、写本27本、版本110本にのぼることが明らかになった。この量はいろいろな研究を可能にするものと見られる。 (2)(1)(2)は東国方言研究資料であり、(3)は九州方言研究資料となる可能性があり、(4)は京畿の言語資料である。このように、同一原典に対する、変化に富む抄物は、さまざまなてがかりを我々に与えてくれるものと考えられる。 (3)(1)のうち、古活字版・整版の種類が多い伝雪庭春積抄『禅宗無門関抄』は、抄物の古活字版と整版が言語研究資料としていかなる性格をもつものであるのかを語っていて、貴重である。
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