研究課題/領域番号 |
08610452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 広島女子大学 |
研究代表者 |
樹下 文隆 広島女子大学, 国際文化学部, 助教授 (70195337)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 能楽 / ワキ / 春藤 / 宝生 / 能役者 / 芸能史 / 謡本 / 謡伝書 |
研究概要 |
1.春藤家・下掛かり宝生家の系図類の調査と整理を行い、相互に比較検討した。特に、山口県文書館毛利家文庫蔵『御家来之公儀被召出者』所載の春藤・東条系図が、戦国期について不備のあるものの、春藤・虎菊・下掛かり宝生の関係を示し、従来知られている春藤系図の信憑性を裏付けるものであることを確認した。さらに、新たに出現した能楽伝書数点に含まれる能役者諸家系図について、資料閲覧の許可を待って調査を行いたい。 2.春藤家・下掛かり宝生家と関係の深い能楽師を訪問し、春藤流や下掛かり宝生流にかかわる資料調査と聞き取り調査を行った。その結果、幕末から明治にかけての貴重な資料や情報を得たが、本研究のテーマに関してはさほど得るところがなかった。しかし、関係諸家の資料により、下掛かり宝生家の初代に関する新資料のいくつかを確認できた。 3.春藤家・下掛かり宝生家の役者について演能記録を調査し、享保頃までの江戸における演能記録一覧表を作成した。また、各地に散在する春藤家・下掛かり宝生家の役者の演能記録を調査し、地方諸藩における下掛かり宝生家先祖の活躍が、予想以上の広範囲に及ぶことを確認した。このことは、地方における江戸役者の活動について、従来の考えを改めるべき重要な意味を持つと思われ、今後の課題としたい。 4.諸藩召し抱えや上方在住など各地に展開した春藤流・下掛かり宝生流の弟子について調査し、流儀の分布状況や流儀役者の実態を調査した。その結果、従来知られていた加賀・仙台・熊本・萩・高知以外に、尾張・紀州・水戸・富山・広島・諏訪・薩摩・岡山・岩国・松本・松山においても、春藤流役者の存在を確認できた。また、江戸においても幕府お抱え以外の役者が存在することを確認した。
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