研究課題/領域番号 |
08610462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国語・中国文学
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 律子 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (90054858)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 官話 / 久米村 / 官生 / 勤学人 / 唐話 / 唐通事 / 進貢 / 册封使 / 冊封使 / 官生と勤学人 / 長崎通事 / 薩摩通事 / 琉球国 / 官話課本 / 琉球官話課本 / 通事 / 官生と勤学 / 冊封 / 聞人三十六姓 / 進貢貿易 / 冊封使録 |
研究概要 |
二年間にわたる研究の成果としては、まず予期した以上に資料を収集できたことが挙げられる。沖縄本島内の大学や研究機関だけでなく、離島(石垣島、久米島等)の博物館や村役場の資料室から官話課本の写本やそれに関わる歴史文献等を入手できた意義は大きい。そして天理大学、京都大学、法政大学沖縄文化研究所からはその蔵書である琉球官話課本、さらに長崎市立図書館、博物館からは貴重な関連資料を収集することができた。特に会話課本《白姓官話》については五種類の異なった写本を入手し、今後の研究に大いに役立つものと考える。 目下これらの資料を利用した作業に着手しており、成果報告書はその中の一部《学官話》をまとめたものである。引き続き、収集したすべての課本の写本を比較対照しながら、語彙の異同、語法の相違、声調や傍注の整理等、あらゆる角度から分析を進めていく予定である。そのことにより課本に含まれる言語の変遷を正確にとらえることができ、更には課本の成立時期についてもより的確な推測を加えていくことが可能となる。その上で長崎通事や薩摩通事が使用した官話課本の言語と比較し、琉球官話課本の特異性とその言語的特色を導き出すことも興味あるテーマである。 多岐にわたる課本の内容を詳細にチェックする一方で琉球国の歴史資料を対照させて行けば、琉球官話課本は言語資料のみにとどまらず、史学面での研究材料としても一つの役割を担うものであると言えそうである。 日本における中国語教育史の空白部分とも言うべき時代に存在した、琉球官話課本の総合的な研究を媒体として、清代における官話、特に広大な南方地域で使われた官話を体系的に把握して行くことも、これからのおおきな課題である。そうしたいわゆる南方の官話が、北京官話とは異なる背景で流行していった現象を考察し、その言語的特色と中国語史上の位置づけを整理していけば、今後の研究は極めて意義深いものになると考えている。
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