研究課題/領域番号 |
08610477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丹羽 隆昭 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70065481)
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研究分担者 |
加藤 幹郎 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (60185874)
若島 正 京都大学, 文学部, 助教授 (10175060)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 1960-70年代 / 大衆文化 / アメリカ |
研究概要 |
我々は予型(type)としての1840年代を絶えず視野に入れながら、原形(anti-type)としての1950年代、60年代の文化・社会現象を考察してきた。この過程から、ある程度予想されたことながら、次の1970年代のアメリカが、やはりほぼ1世紀前の1850年代のアメリカといろいろな点で類似することを突き止めた。ニクソン(R.M.Nixon)のウォーター・ゲート事件で象徴的に幕を開けた70年代は、今日のアメリカの停滞、混乱の始まりと言えるが、同様にアメリカの1850年代は、楽天的で拡大主義的、そして愛国的な40年代から、奴隷制を巡って次第に地域対立を深め、南北戦争へと向かう、いわば大混乱の始まりであったと見ることができる。 「アメリカ・ルネサンス(the American Renaissance)」と呼ばれる文芸上の一大豊作期が50年代前半だという事実も、腐敗の時代の始まりがしばしば文化爛熟期に当たるという定説と矛盾しない。 アメリカの文化・社会現象は約1世紀を隔てて繰り返すという仮説は、1840年代と1950年代、60年代の比較検討によっておおよそ裏付けできたように思われるが、これをそれぞれもう10年づつ広げて追跡調査するのが、本研究の今後当面目指すところである。大きな歴史の流れとして両時代が強い類似性を示していることは容易に想像できるが、やはりこれも事細かに検証してゆく必要がある。またそうしてこそ、1840年代と1950年代、60年代との類似性の研究自体もより意義深くなると考える。これまでこの時代の特定の文学、たとえば詩人、小説家、劇作家などについては、しばしば研究が行われてきた。しかし、文学、映画、ジャーナリズムのすべてを視座に入れた研究は国内、国外を通じてまだない。
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