研究課題/領域番号 |
08610489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
扶瀬 幹生 聖心女子大学, 文学部, 講師 (60262094)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | HANES JOYCE / FINNEGANS WAKE / GENETIC / IRISH LITERATURE / COMPUTER / DATABASE / INTERNET / MAILING LIST |
研究概要 |
本研究の目的は、ジェイムズ・ジョイス『フィネガンス・ウェイク』のテクスト生成に関する基礎資料であるバッファロー・ノートブック、および初稿から最終稿にいたるまでの全レベルのマニュスクリプトをデータベース化し、難解といわれるこの作品を正確に理解・解釈するための確固たる土台を築きことにある。 今日″genetic studies ″ないし″genetic criticism″と呼ばれるようになった、テクスト生成に関わる具体的かつ詳細なデータを収集・分析する研究・批評の方法は、ジョイス研究史のうえでは最も新しく、また、最も有意義な進展が期待される研究領域である。しかしながら、膨大な量のノートブックとマニュスクリプトを地道に判読・分析し、それらが作品に形成されていく過程を詳細に辿る作業は、並外れた根気とデータ処理能力を必要とするため、実動できるだけの時間と能力を兼ね備えた専門的研究者の数は、今日においても、日本においては皆無であり、世界的に見ても、30名前後しかいないという状況である。 このような先駆的かつ高度に専門的な分野における研究課題を設定するにあたって、計画当初は多分に野心的かつ暗中模索の要素があったことは否めず、実際、「全資料のデータベース化」とい広大な目標は、研究開始からそれほど時を経ない時点で、本研究期間内の達成は不可能であることが判明した。しかし、何よりもまず、この分野の研究の重要性と必要性についての揺るがぬ確信が支えとなり、また、海外の専門家・愛好家たちとの交流が、近年のインターネット・サービスの充実および普及に伴って、当初の予想以上に展開したこともあって、結果的には有意義な研究を中・長期的に継続・展開していくための基盤を望ましい形で堅固に固めることができた。
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