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16世紀市民層の遺言書におけるテクスト構造の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 08610512
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関広島大学

研究代表者

小野 光代  広島大学, 総合科学部, 教授 (40002985)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード証文 / 遺言書 / 近世ドイツ語 / テクスト構造 / テクスト構成要素 / 市民層 / 実用散文 / シュタットブーフ / トルナヴァ資料体 / 16世紀市民層 / 近世ドイツ社会 / 初期新高ドイツ語 / 史的社会言語学 / 実用散文のテクスト構造 / 文書館資料
研究概要

1. 中世後期以降市民層の遺言書大量成立の背景:教会への寄進部分の共有財産からの切り離しの手段。家族共同体の共有から個人の処分を可能にする財産所有形態の変化。都市の発達に伴って世襲財から購入財へと財産形態の変化。近世という変動期の社会で法制度が確立していないなかで、個人の財産を守る確実な手段として遺言書は機能した。中世ヨーロッパを繰り返しおそった疫病(ペスト)の流行も遺言書増加の要因の一つ。
2. 証文(Urkunde)と遺言書:遺言書の初期の形態→印章証文。古証文学の定めるUrkunde(皇帝、王、教皇)の構成は4部分の導入部、7部分の主要部、3部分の終結部という3部14部分よりなる。14世紀ウィーンで成立した書式集では遺言書は11項目が必要とされた。
3. 中世市民層の遺言書の諸形態:印章証文、参事会員の前での口述、作成者自身の自書、教会法による等の証文形式、外国法による公証人証文やオフィツィアラート証文、参事会証文、最後に市帳簿記載方式。極めて細分化していた当時のドイツの領邦土や都市毎の法環境の違いも重要。
4. 証文から遺言書へ、構成要素の収斂:証文構成要素と遺言書必要項目の比較。14世紀ウィーン市民の遺言書分析の例。トルナヴァ文書より作成した遺言書のプロトタイプと遺言書必要項目との比較。
以上から
5. 大量の遺言書成立には社会史的にみて必然性があったこと。遺言書テクスト構造分析の基盤に証文構造の考察が不可欠なこと。遺言書の形態を観察するためには法環境という要素を考慮しなければならないこと、構成要素の収斂には作成者の意図表現の簡潔化、明確化の方向性がみられること、を新しい知見としてあげる。(50字x16行)

報告書

(3件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 小野光代: "テクスト類型とテクスト作成者の意図" 広島大学大学院社会科学研究科国際社会論専攻「欧米文化研究」. 3. 1-18 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小野光代: "トルナヴァ資料体の言語的特徴について′-方言確認を中心に-(1)" 広島大学総合科学部紀要V「言語文化研究」. 22. 135-152 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ono,Mitsuyo: "Zur Textstruktur der Trnavaer Testamente des Burgertums aus der 1.Halfte des 16.Jahrhundert" In: Gesellschaft, Kommunikation und Sprache Deutschalnds in der fruhen Neuzeit. 243-262 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小野光代: "トルナヴァ資料体の言語的特徴について -方言確認を中心に-(2)" 広島独文学会「広島ドイツ文学」. 12. 1-18 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mattheier/Nitta/Ono (Hg.): "Gesellschaft, Kommunikation und Sprache Deutschlands in der fruhen Neuzeit" Munchen: iudicium verlag, 316 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Ono: "Texttypology and its Intention" Studies in European and American Culture. 3. 1-18 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Ono: "Dialect and written language in the Trnavaer Corpus. (1)" Studies in Language and Culture, Bulletin of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. 22. 135-152 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Ono: "Zur Textstructure der Trnavaer Testamente des Burgertums aus der 1.Halfte des 16.Jahrhundert." In : Gesellschaft, Kommunikation und Sprache Deutschlands in der fruhen Neuzeit.243-262 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Ono: "Dialect and written language in the Trnavaer Corpus. (2)" Sudies in German Literature.12. 1-18 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mattheier, Nitta, Ono (Hg.): "Gesellschaft, Kommunikation und Sprache Deutschlands in der fruhen Neuzeit." Munchen : iudicium verlag.316 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小野光代: "トルナヴァ資料体の言語的特徴について(2)" 広島ドイツ文学. 12. 1-18 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 小野光代: "テクスト類型とテクスト作成者の意図--近世ドイツ語説話文の例において--" 広島大学大学院社会科学研究科 国際社会論専攻『欧米文化研究』. 3. 1-18 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 小野光代: "トルナヴァ資料体の言語的特徴について--方言確認を中心に--" 広島大学総合科学部紀要V『言語文化研究』. 22. 135-152 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Mitsuyo Ono: "Zur Textstruktur der Tmavaer Testammente des Burgertums aus der 1. Halfte des 16. Jahrhunderts" Gesellschaft, Kommunikation und Sprache Deutschlands in der fruhen Neuzeit. 243-262 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] K.. J. Mattheier, H. Nitta M Ono (Hg): "Gesellschaft, Kommunikation und Sprache Deutschlands in der fruhen Neuzeit" iudicium verlag, Munchen, Germany, 316 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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