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アルチャート著『エンブレム』におけるルネッサンス法学の<歴史手法>と<記憶術>

研究課題

研究課題/領域番号 08610537
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 繁夫  名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (50162946)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードエンブレム / ルネッサンス法学 / 記憶術 / アントレーア・アルチャート / アンドレーア・アルチァート / ルネッサンス / ローマ法 / アルドレーア・アルチャート / プルタルコス
研究概要

1.図絵(イメージ)と知識をドッキングさせたエンブレムの形式は、地上の事物とイデアとの対応を確立させる新プラトン主義の観点から考えられてきた。しかし、エンブレム作家の多くが古典古代の在り方を忠実に再現しようと努めた法律学者であったことに注目し、同時代の法学資料を収集・解読してみると、エンブレムは、新プラトン主義の影響下にある宇宙論的叡智の実例ように、外見的に見えるにすぎないことがわかった。エンブレムは、自分たちの時代以前までの方法論上の過誤から見えなくなってしまった古典世界の知の構造を、新たな文献学手法を駆使して古典古代を再現させる運動の一枝葉にあることが明らかになった。 2.新プラトン主義の通俗版である神秘記憶術には、エンブレムにみられる歴史意識は見られなかった。たとえ記憶術とエンブレムには図絵を用いるという共通項があり、両者は同時代に流行したという現象を共有しているとしても、記憶術の反復・回帰志向は、エンブレムの歴史遡行と対極をなし、それぞれの眼差しは乖離していることがはっきりした。 3.エンブレムの形式は、これまで強調されてきたような挿し絵本の伝統からだけではなく、むしろ法学提要書や参考書に特徴的にみられるものである。 4.アルチャートが付した教訓は、普遍的倫理に基づく内面的生活を律する規範ではなく、時代の社会生活に即した外的規範を提供していることがはっきりとした。これによって、『エンブレム』は、日常の現実世界よりもむしろ叡智界へと人間精神を導くシンボル形式という従来の捉え方とは対極にたつ、日常社会生活にのっとった解釈の地平が開けた。

報告書

(3件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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