研究課題/領域番号 |
08620054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
梶田 孝道 一橋大学, 社会学部, 教授 (10133357)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 外国人 / 移民 / 参政権 / 政治参加 / 国籍 / 市民権 / 多文化主義 / マイノリティ / マルチカルチュラル / トランスナショナル / 外国人参政権 / 定住外国人 / 国際労働移動 / デニズン |
研究概要 |
西欧諸国において外国人の定住化と政治参加が進んでいるが、日本においてもニュカマ-外国人の定住化が一部で見られる一方で、オールドカマ-外国人の政治参加の問題が浮上している。まず西欧諸国での外国人参政権の行使の実態や投票率について検討し、相対的に低い投票率の原因、外国人票と政党との関係について考察した。日本では、外国人の地方参政権が憲法上違憲ではないとの判断が下された。この点に関して、それが現在に至っても実現していない理由、西欧諸国と違って日本での実現の運動主体が草の根の外国人であること、外国人といっても一枚岩ではなく、すべての外国人が参政権に賛成しているわけではないこと、この問題と関連して海外の日本国籍保有者の間で国政選挙への参加希望が強まっていること、日本社会の側も意見は一様ではなく、世代や地域により一定の差異があること等が明らかとなった。それとともに外国人の対参政権を含めた権利拡大(デニズンシップ)か帰化かという点で大きな分岐が存在する。また西欧では旧ソ連等からのドイツ系やユダヤ系の国際援助が見られるが(エスニック移民)、日本でも近年における日系人の流入がみられる。しかし、欧州の事例と異なるのは、日本政府や日本社会の側の日系人への視点と日系人自身の社会学的実態との間に大きなズレが存在するという点である。このため、彼らは日本に定住するに至っていない。外国人の政治参加は、いわゆる定住外国人に加えて、こうしたエスニック移民も含めて、総合的に考える必要がある。また、外国人の政治参加は、他の文化的マイノリティ、すなわち少数民族や先住民との関連においてもその異同を含め議論され分節化される必要がある。
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