研究課題/領域番号 |
08630063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
唐沢 敬 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (60149789)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 経済発展 / 輸出志向型工業化 / エネルギー需要の急増 / 中東産油国へのエネルギー依存 / エネルギーの安全保障問題 / アジア経済危機 / 東アジアの経済成長 / アジア金融危機とエネルギー問題 / 資源依存・貿易投資主導型成長 / 湾岸産油国 / アラスカ石油・天然ガス / 中東石油・ガス依存の深化 / エネルギー安全保障 / LNG貿易 / 成長の質とエネルギー問題 / エネルギー需給構造の特殊性 / エネルギー紛争 / 東アジアの電力不足 / 中東石油依存の深化 / 原子力への急傾斜 / エネルギーの安全保障 |
研究概要 |
東アジア諸国は、80年代以降、旺盛な経済活動と地域経済圏形成の下で未曾有の経済拡大を成し遂げ、世界で最も有望な経済発展地域となった。大規模な外資の導入と輸出志向型工業化の成功がこれを可能にしたわけであるが、工業品輸出の急激な伸び、資本蓄積の高い増大率、農業生産の増大と生産性の伸び、人的資本の豊かさ等が主要な成長要因として指摘される。しかし、こうした急激な経済成長はエネルギー需要の急増をもたらし、東アジアのエネルギー市場と需給構造に衝撃的影響を与えた。 東アジア諸国のエネルギー需要が急増したのは爆発的な人口増のためと云われているが、最大の原因は経済の急成長と工業化に伴う都市化にある。工業化に伴いエネルギー需要は確実に増大したが、需給ギャップの拡大も構造的となっている。東アジアのエネルギー需要の急増と需給ギャップの拡大で主要な役割を担っているのは石油である。域内のエネルギー構成の特徴として石炭の比重の高さがしばしば指摘されるが、中国を除くと殆んどの国で石油消費の急増が特徴となっている。東アジア諸国は原油と石油製品需要の急増に対して供給と精製能力が極端に弱く、この不均衡な需給バランスを専ら外資による国内施設建設投資と輸入の増大に頼らざるを得ないため、中東産油国へのエネルギー依存が急速に進んでいる。長期的には、東アジア諸国の巨大な石油・同製品需要と中東依存の深化が世界の石油需給に衝撃的影響を与えることになる。東アジア経済が持続的成長を達成するためには、1)急激な需要増に対して供給をどうするか、2)エネルギーの効率利用と質的転換をどう図るか、3)環境保全対策をどうするかがカギとなる。エネルギーの安全保障問題も依然焦眉の課題である。 97年に発生したアジア経済危機はエネルギー需要と価格を低落させた。世界の石油需要増の95%を占め、価格を下支えしてきた東アジア諸国の石油需要は急激に落ち込み、価格もバレル当り5ドルも低下した。しかし、需要と価格は低落したものの、東アジアの不安定なエネルギー需給構造が大きく変わる兆しはない。経済成長の質、規模、速度に修正を加え、エネルギーの安定供給と最適配置を考えなくてはならない
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