研究概要 |
17世紀ヨーロッパを中心とした世界経済の興隆の中でオランダは工業の発展を下支えとして,通商・海運・金融各側面において経済的に繁栄したが,その特徴としてあげられるのは,その中継貿易活動である。その交易は,西インド,東インドに及び世界的な市場経済の勃興に貢献した。 そのなかで個別の商人ベンジャミン・ブルラマッキは,17世紀の後半においてヨーロッパ内に留まらず,東インド,つまりジャワ,ベンガルにまで足跡を延ばす広範な交易活動を展開した。 彼は,1643年にジュネ-フに生まれたのちアムステルダムに移住し,オランダ東インド会社に参加し,東インド交易に従事した。さらに,枯れ葉1691年に家族とともにバタフィアに移った。その後間もなくインドで死去したが,その間の商業通信がこのブルラマッキ文書に多数包括されている。その解読の結果,ブルラマッキ商家の交易活動の広範囲・かつ多角的な諸側面が明らかとなった。
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