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アメリカ大規模製造企業における労使関係の歴史的変遷に関する実証的研究-革新主義時代における労使関係管理の生成,およびそれと安全運動との関連について

研究課題

研究課題/領域番号 08630079
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経済史
研究機関北海道情報大学

研究代表者

上野 継義  北海道情報大学, 経営情報学部, 助教授 (00183749)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード経営史 / 安全運動 / 労働災害補償法 / 労使関係管理 / 福利 / 従業員代表制 / 人事管理 / アメリカ史
研究概要

本研究は,第一次大戦期に基本的な枠組みが形成され,その後,大量生産産業における労務管理の主要な流れとなる「労使関係管理」industrial ralationsについて,その起源と歴史的展開過程とを実証的に検討し,とくに安全運動との関連を明らかにするものである。今年度は,以下の二点について新たな知見を得ることができた。
1 安全運動と労使関係管理との関連については,(1)この運動の中心的プログラムである安全委員会が労使協議制として機能するようになり,そこに従業員代表制の原型を確認することができること,(2)安全運動の指導者「セイフティ・マン」と技術者との間に当初安全対策をめぐる意見の食い違いがあったが,やがて安全運動のなかに潜在的に含まれていた労使関係管理特有の労働者観に技術者の理解が及んだことを明らかにした。これは安全運動が,技術者たちの意識の根底にある伝統的な労働者観に変革を迫り人事管理への接近を可能にする要因になったことを意味している。
2 安全運動のなかから多様な福利厚生活動が生成したが,それがさまざまな非営利団体によって企業の外部から支えられていた点が興味深い。19世紀末葉からの企業規模の飛躍的な拡大と移民の大量流入は,労働者福祉を専門に取り扱う非営利組織の活動をおおいに刺激し,企業もまた自己の福利活動をそのような専門家組織に依存する方向を辿った。このような私的福祉の部門間協力の実態を,セイフティ・マンとシカゴ訪問看護婦協会の派遣する産業看護婦との共働作業のなかに具体的にたどることによって,安全運動の社会統制としての側面を明かにした。
3 今後、以上の研究を発展させ,(1)第一次大戦期までをも視野に入れて,労使関係管理の成立をあとづけることと,(2)人事管理運動の主要な源泉のひとつである雇用管理運動について,安全運動との関連を究明することが次の課題となるであろう。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上野継義: "アメリカ産業における安全運動の波及と労使関係管理の生成-1908〜1915年-" 経営史学会編『経営史学』. 第31巻・第4号. 1-31 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 上野継義: "革新主義期アメリカにおける安全運動と移民労働者-セイフティ・マンによる“安全の福音"伝道-" アメリカ学会編『アメリカ研究』. 第31巻. 1-22 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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