研究概要 |
平成8年度,平成9年度の2年度にわたり「技術戦略の日米比較:グローバル化時代の戦略的中核技術開発戦略」に関する研究を行った。本研究では,戦略的中核技術を持つ企業を過去にさかのぼって徹底的に調査し,歴史的転換点でどのような意思決定行ってきたかを公表データ,インタビュー調査,および質問票を通して明らかにするべく作業を進めてきた。 平成8年度には,文献サ-ヴェイと公表データによる企業のプロファイル作りを行うと同時に,研究組織のメンバーが1人1社の企業を担当し予備調査を行った。続く平成9年度には,8年度の予備調査に基づき質問票調査およびインタビュー調査が行われた。その結果,戦略的提携を通じての中核技術の獲得と形成とそのマネジメント,研究開発の国際化の実態,近年の日本企業の国際化の動向の把握がそれぞれ行われた。また同時に,中核技術獲得にともなう組織転換の理論について,アメリカのハイテック企業を対象としてエスノグラフィカルな事例研究によって明らかにした。さらに,営利組織における中核技術獲得戦略とは若干異なる視点を必要とする非営利組織における技術についての調査・研究も取り込むことで,研究テーマに対する網羅的な考察を行うことが可能となった。
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