研究課題/領域番号 |
08630132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡部 孝好 神戸大学, 経営学部, 教授 (60067676)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 会計上の選択 / 日本的市場 / 企業間関係 / 会計情報 |
研究概要 |
日本企業によって開示される会計情報は、メーンバンク、相互持合関係にある株主、企業別の労働組合、継続的取引関係にあるベンダー、販売チャネルに属する卸企業や小売企業、規制にあたる監督官庁、課税当局の国税庁などによって微に入り細に入り検討されている。日本における濃密で持続的なこれらの企業間関係の中において、会計情報がいったいどのように市場の取引を導き、ヒト、カネ,モノの流れにどう影響しているかを分析するのがこの研究の主たる狙いであった。そこで、日本的市場環境における会計情報の専門的な利用の仕方に注意を向け、この状況の中で企業の経営者がどのように能動的に会計政策を選んでいるかを具体的に解明することに重点をおいた。 日本的市場環境の中で最も影響力が大きいのは、メーンバンクの存在である。メーンバンクは貸し手を代表して貸付先企業を監視・誘導しているが、その手段の1つをなすのが会計情報である。そこで、銀行の貸付契約、特に財務制限条項との関連において、借り手企業の会計政策を実証的に分析し、アメリカの先行研究で指摘されていた裁量行動の傾向がわが国にも広く存在することが確認できた。 インターネット、イントラネットの拡がりとともに、企業間関係の取引はネットワーク上の取引に移行しつつある。この取引の電子化に関連する重要な論点は、わが国伝統の取引様式がそのままコンピュータ化される傾向があるということである。返品制度、事後補償制度などを中心にヒヤリング調査を行ったが、この調査によって明らかになった日本的取引慣行の実態も本年度の研究の大きな収穫といえる。 日本国内の調査を優先したために、外国企業の会計政策と国際比較を行うにはいたらなかった。さらに視野を拡大し、国際比較研究をすすめるのが次の課題である。
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