研究課題/領域番号 |
08640009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
増田 哲也 筑波大学, 数学系, 講師 (70202314)
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研究分担者 |
小木曽 岳義 筑波大学, 数学系, 助手 (20282296)
筧 知之 筑波大学, 数学系, 講師 (70231248)
加藤 豊紀 筑波大学, 数学系, 助教授 (00005779)
加藤 久男 筑波大学, 数学系, 教授 (70152733)
竹内 光弘 筑波大学, 数学系, 教授 (00015950)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 非コンパクト型量子群 / 量子カシミア作用素 / スペクトル解析 / 既約ユニタリー表現 / 淡中-辰馬型の双対定理 / C^*-代数 / Kac-Takesaki作用素 / ^*-ホップ代数 |
研究概要 |
量子群SUq(1,1)は非コンパクト型量子群の典型的な実例である為、従来の純粋に代数学的な方法のみによっては既約ユニタリー表現の完全分類を行うことは出来ない。一つの近似的な方法は量子カシミア作用素のスペクトル解析から正則表現の分類の結果を予想することであり、これはある意味で量子群SUq(1,1)の場合のHarish-Chandra展開の理論を構築するということにもなる。これに関しては既に論文として発表済みである。(筧氏、及び上野氏との共著論文。)この問題はそもそも量子群の無限次元既約ユニタリー表現をどう定義するかという、かなり関数解析的に技術的な問題をその大元に含んでおり、先ずはその問題の解決から手を付ける必要があった。この点については既に数学的な結果は筆者、中神氏、及びWoronowicz氏との共同研究が完成し、現在はその論文の発表準備中である。これは一般の非コンパクト型量子群の場合に淡中-辰馬型の双対定理をC^*-代数の枠組みを使って証明するものであるが、この理論構成の前に双対定理が成立するような正しい無限次元既約ユニタリー表現の定義を与える必要がある。ここで我々の与えた定義は完成度の高いものであると考えており、これで量子群の無限次元既約ユニタリー表現の定義は確定したと我々は考えている。それで本題の「非コンパクト型量子群SUq(1,1)の既約ユニタリー表現の完全分類」であるが、これは実質的に先に筆者、中神氏、及びWoronowicz氏との共同研究の定式化の中に現れるKac-Takesaki作用素(或いはMultiplicative Unitary Operator)と呼ばれる作用素で上記の理論構成の中核をなすものが在るのだが、その具体的な表示を非コンパクト型量子群SUq(1,1)の場合に精密に計算することによって得られる。この作用素の具体的な形は現在の段階で既に決定されており、あとはこれを表現論的に解釈して目的の結果を得る部分が残るのみとなっている。この作用素の具体的な表示は球関数論に関する全ての情報を与えるものであり、既に表現論に非常に近いところにまで来ている。従って、この研究は未だ完璧には完成はしていないが、本研究の完成は正に目前といって良いと思われる。
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