研究分担者 |
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
水原 亮 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065776)
福井 和彦 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065883)
勝良 昌司 京都産業大学, 理学部, 教授 (80065870)
伊藤 正美 京都産業大学, 理学部, 教授 (50065843)
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研究概要 |
今年度は,新谷卓郎氏の導入した原始的データ関数の表現論的研究を行った.菅野孝史氏(広島大・理)との共同研究である.原始的データ関数は,3次ユニタリ群上の保型形式のフーリエ・ヤコビ展開をさらに精細にした新谷展開に現れ,3次ユニタリ群上の保型形式の研究に極めて有用である. 原始的データ関数を明示的に決定する問題は重要な未解決問題であるが,そのためには原始的データ関数に対応する1次ユニタリ群の指標としてどのようなものが現れるかを決定しなければならない.今年度は主として,この問題を局所的に研究し,ほぼ完全な結果を得た. 1次指標の決定は,局所的には,局所原始的データ関数のなす空間に作用するメタプレクティック表現の既約分解と同等である.解決のために,ハイゼンベルク群の無限次元既約表現のlattice modelと呼ばれる実現をとり,その上の1次ユニタリ群のメタプレクティック表現のsplittingを与えた.さらに,メタプレクティック表現の指標を跡公式を用いて具体的に計算することによって,メタプレクティック表現の既約分解を与えた.副産物として,Shintani,Glauberman-Rogawskiによって証明された,原始的テ-タ関数のなす空間の重複度1定理の別証を虚2次体の場合に得た. 今後は,今年度得られた局所的結果を,大域的状況に適用する方向で研究を進めていく計画である. 研究分担者の伊藤は,関連するテーマで国際研究集会を主催した.これに伴って,参加者の一部に対する謝金を科研費から支出した.
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