研究分担者 |
中川 泰宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90250662)
板東 重稔 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165064)
砂田 利一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20022741)
西川 青季 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004488)
剱持 勝衛 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004404)
|
研究概要 |
研究代表者・納谷信は,双曲多様体の無限遠理想境界上の共形構造と両立する標準的リーマン計量の大域的不変量について研究を行った.結果として,対応するクライン群が擬フックス群の場合に,この計量の全スカラー曲率の下からの評価を得,等号はフックス群(対応する計量は双曲計量に一致する)の場合に成立することを確かめた.また,複素双曲多様体の理想境界上のCR構造と両立する標準的擬エルミート構造の田中-ウェブスター接続を調べ,その曲率の退化と極限集合の位置の関係を明らかにした. 剱持勝衛は,複素射影平面内のガウス曲率が一定な極小曲面の分類問題を研究し,ケーラー角度が一定であることを証明することにより,そのような極小曲面の局所的な分類定理を得た. 西川青季は,負曲率等質リーマン多様体に対して,調和写像の無限遠ディリクレ境界値問題を研究し,多くの空間に対して解の存在定理を証明した.また,複素双曲空間の間の調和写像の中で正則写像を特徴付けることにより,非正則な調和写像が豊富に存在することを示した. 砂田利一は,重み付きグラフのラプラシアンのスペクトルについて研究を行い,リーマン多様体に対して知られている諸結果の類似を証明した.また,長方形の分割に関するデーンの古典的結果の別証明を与えた. 板東重稔は,コンパクト複素多様体上のアインシュタイン・ケーラー計量の存在問題を研究し,そのような計量の存在と安定性との関連について結果を得た. 中川泰宏は,トーリック・ファノ多様体の二木指標と一般化されたキリング形式に対して,組み合わせ論的な計算公式を与え,これを用いて,次元が4以下のトーリック・ファノ多様体の正則自己同型群はカラビの構造定理を満たすことを示した.
|