研究概要 |
この研究の目的は、2次元場の量子論をAffine-Lie環や量子群の表現論に基礎をおいて展開することにあった。 土屋および中西は荒川氏等との共同でA^<(1)>_1型の可解格子模型のパス空間のスペクトル構造を分析し、A^<(1)>_1型のAffine-Lie環のレベルlの可積分表現に関する新しい指標公式を得た。この結果は、レベルlの可積分表現の空間にsl_2型のYangianの自然な作用が存在することを示唆する。 上の結果は、土屋は荒川、鈴木両氏と共同でA^<(1)>_<n-1>型の共形場理論のN体Conformal blockの双対空間V_N(λ,μ)の構造解析を行って次の中間的結果を得た。この結果の発表のための論文を現在作成中である。 A^<(1)>_<n-1>型のAffine-Lie環gのレベルlの最高ウェイトλを持つ可積分表現L(λ)、最低ウェイトμを持つ可積分表現L^+(μ)、およびレベル零の表現V@4C[z,z^<-1>]を考える(Hはベクトル表現)。この表現のtensor積をV^^〜_N(λ,μ)=L(λ)@4(V@4C[z,z^<-1>])^N@4L^+(μ)とおき、V_N(λ,μ)=V_N(λ,μ)/g(V_n(λ,μ)を考える我々は、V(λ,μ)上に自然にdegenerate double Affine Hecke環H_Nの表現を構成した。また、H_Nはdegenerate Affine Hecke環H_Nを部分環として含むが、H_N加群V_N(λ,μ)の対称群不変な部分空間へのH_Nの中心Z(H)の作用に注目し、その同時固有関数の一連の列をH_Nのまつわり作用素を用いて構成した。この同時固有関数達は、上の予想よりV_N(λ,μ)の対称群不変空間の基底となると推測される。
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