研究概要 |
重力場のEinstein方程式の2次元簡約化とそれに付随するErnst方程式は行列表示すると全く同じ形になる.相違点は原点における挙動だけである.そこで有理型の特異性をもつ解の構成法を考察した.本研究ではループ群の幾何学を用いることにより,一般的な場合に対して完全な解の尊出に成功した.特に有理関数を境界値にもつ場合について,重力場を求めるコンピューターコードを開発し多くの解を得た(過去に発見されている有理解をほぼすべて含んでいると思われる). また副産物として,Weylの静的族に対して,3次元の円柱対称性をもつLaplace方程式の解を有理型関数から構成する方法も得たので,他の数理物理学への応用も期待される.ここでは,多重Schwarzschild解の縮退の状況を調べるのに応用し,従来知られていない新しい型のEinstein重力場を構成することが出来た.
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