研究分担者 |
古谷 賢朗 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70112901)
小林 嶺道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120186)
大槻 舒一 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80112895)
中村 玄 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50118535)
大森 英樹 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20087018)
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研究概要 |
多様体上で量子化を考えるのにいくつかの方法があるがFlato,Sternheimer,LichnerowiczらによってDeformation quantizationのアイデアが提唱された.彼らは,この方法よりいくつかの可積分系の量子化を行い,量子力学系の固有値の計算なども行っている.これらの事をmotivationとして本研究はDeformation quantizationについて以下の結果を得た. 多様体をM,その上のsmooth functionsのなす可換な代数をα=C^∞(M)とする.さらに形式的なパラメータνを導入し,αの元を係数とする形式的巾級数環をα[[ν]]とする。 Deformation quantizationとは,集合α[[ν]]に非可環かつ結合的な積*で(i)νは中心に属し(ii)νに関し0次の項はαの通常の積と一致するものである. 代数(α[[ν]]_1*)の結合律から"古典的な代数"αはポアソン環の構造を持つ事がわかる.ポアソン環の拡張された概念としてcontact algebraが考えられるが,この環に対してもdeformationの概念を導入して,与えられたcontact algebraが常にdeform tionを持つことを示した.これはsymplecticなポアソン環が常にdeformation quantizationを持つことに対応した結論と言える. これらの議論に於いて結合律が本質的であったが,さらにこの性質を落として問題設定をすることが可能である事が分かった.すなわち,古典的な可換環αを結合的な代数ではなく交代的な代数(alternative algebra)に変形することを調べ,νの巾に関する帰納法を用いて代数を構成する方法が可能であるための必要十分条件を得た.
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