研究概要 |
伊藤敏和は正則ベクトル場に対するPoincare-Bendixson型定理の拡張のために,C^nの中の2つの正則ベクトル場で定義される葉層構造Fが2n-1次元球面S^<2n-1>(1)に横断的ならば,S^<2n-1>(1)と交わるFの葉はただ1つの特異点に行き着く非自明的な例を構成した。 松本和一郎は2階かつ主要部の2乗が0となるような偏微分方程式系に対してCanchy-Kowalevskiの定理が成り立つための簡単な(容易にチェック可能な)十分条件を得た。これは主要部がrank1の時は必要十分条件になっている。四ツ谷晶二は松隈型の方程式を典型例とするような半線形楕円型方程式の半線型項の巾をP,初期値をαとするとき,無限遠点で最も速く減衰する解に対応する指数と初期値(P,α)がP-α平面の中でどのような曲線になるかという問題を提起し,その解答を与えた。 森田善久はギンツブルグ・ランダウ方程式の安定な零点をもつ平衡解が,3次元以上の有界な非凸領域で存在することを証明した。回転対称なド-ナツ型領域において,磁場の効果を入れたギンツブルグ・ランダウ方程式が非自明な平衡解(物理的に超電導の永久電流に対応する解)を持ち,その解は安定であることを示した。
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