研究概要 |
本研究「複素正方行列の不変量と一般化された数域の解析学的研究」では、行列の不変量特に数域と数域半径を凸解析的観点およびアルゴリズム的観点から研究し、幾つかの重要な結果を得た。具体的成果を示すものとしては、次のことが挙げられる。まず、平成8年8月6日より9日まで札幌で開催された第3回数域と数域半径研究集会(国際研究集会、略称WONRA)において本研究の代表者の中里博と分担者の高口真は、それぞれ「数域への代表的アプローチ」「数域の境界を成す代数曲線」という題で講演し、代数的方法による成果を発表した。これらに関連して、研究代表者は論文“Set of 3 x 3 ortho-stochastic matrices“(3行3列の直交型重確率行列)、“Quartic Curves associated to 4 by 4 Matrices“(4行4列の行列に随伴する4次代数曲線)を発表した。さらに代表者を共著者のひとりとする論文“an Alternating Condition for certain Generalized Numerical Range to be Convex“(一般化された数域が凸となるための条件の別の定式化)および論文“Geometric Construction of *-reepre-sentation of the Weyl algebra with degree 2“(自由度2のワイル代数の表現の幾何学的構成)が発表された。 また、本研究において、分担者の脇克志は、有限代数群を数式処理の観点から研究し、論文“About the decomposition matrix of Sp(4,q)“(有限代数群Sp(4,q)の分解行列について)および“A Note on the Decomposition Number of Sp(4,q)“(群Sp(4,q)の分解係数について)を発表し、アルゴリズム的方法に基づき本研究に寄与した。
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