研究分担者 |
斎藤 和之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60004397)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
島倉 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025393)
西川 青季 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004488)
猪狩 惺 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004289)
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研究概要 |
ベキ零リー群G上の擬微分方程式の研究を行った.良く知られているように,G上の準楕円型偏微分方程式の解析は,Folland, Stein, Christ, Rothchild 等々によりL^p空間に関連して深く研究されてきた.しかし,L^pの指数pが,Gの斉次次元Q以下の場合,L^p解析が破綻をきたすことがある.そこで,非等方的モレ-空間を使いp【less than or equal】Qの場合の解析をすすめた.具体的には,モレ-のDirichlet増大定理に対してモレ-の証明とは全く異なる方法による証明を与え、さらにそのアイデアに基づき,Dirichlet増大定理をベキ零リー群上に一般化した.この結果はモレ-の定理そのものの精密化も与え,さらに今までの増大定理では扱うことのできなかった退化楕円型擬微分方程式の解のlocal regularityを証明した.その応用として強擬凸CR多様体上の<∂b>^^^-方程式や□_b方程式の解のlocal regularityに関する結果を証明した.これはFolland-Steinの評価を改良するものである.この研究に関連して,等質型空間上にモレ-空間を定義し,それに対してextrapolation型の定理を証明した.この定理はR^n上の古典的なモレ-空間の場合でも新しい定理である.実際それを用いることにより,調和解析に現れる種々のclassical operatorsのがモレ-空間で有界になることが証明できた. 以上の他,境界で退化する楕円型偏微分作用素の調和解析を研究した.例えばシュタイン多様体の強擬凸領域やΘ-構造を持つ多様体,有限型領域等の境界で退化する楕円型偏微分作用素に関する調和解析の理論の基礎をつくり,退化楕円型調和測度の精密な評価をはじめ,退化楕円型H^l空間のマルチンゲ-ル空間への埋め込み定理などを証明した.
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