研究概要 |
この研究では、理工学における多くの現象の数学モデルとして得られる非線形編微分方程式の解の性質を考察した。代表者は非線形の退化型拡散方程式 (*)u_t=Δ_x(u^m)-u^p(m>1,p>0,p≠1), を研究した。第一に外部問題に対する初期値境界値問題の解u(x,t)の性質を考察した.解u(x,t)の正値性と解の正の集合{(x,t)|u(x,t)>0}と集合{(x,t)|u(x,t)=0}とを分離する集合(これを解uのinterfaceという)に関する研究を行った。さらに,境界値と初期値が正の場合におけるDead coreの集合{(x,t)|u(x,t)=0}に関する研究を続けた.これらの研究結果は現在発表のために準備中である。 他方、アメリカのDelaware大学のI.G.Stakgold教授と方程式(*)に対する有界領域における初期値境界値問題の解の「Dead core」に関する研究を行った.その成果は目下投稿中である。 分担者笹野は力学系的考察から本研究の問題の解に関する研究で代表者に協力した。この方向からの研究は目下継続中でる。更に、代表者と分担者松田は退化型非線形楕円型方程式Δ_xu^m+g(u)=0に対するradial solution u(|x|)に関する研究を行った。それらの有界な解と正の解に関する解析を行った。これは研究業績1)に発表した。1)では非線形常微分方程式の初期値問題 y″(x)+N-1/xy′(x)+|y|^py-y=0,(0<x),y(0)=a,y′(0)=0(a>0) の有界な解と正の解に関する解析を行った。
|