研究課題/領域番号 |
08640191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 克哉 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60134441)
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研究分担者 |
阪本 雄二 名古屋大学, 工学部, 助手 (70215664)
大原 義郎 名古屋大学, 工学部, 助手 (20023294)
金田 行雄 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (10107691)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 渦度方程式 / 渦度-ベクトルポテンシャル法 / 並列ベクトル計算 / 渦音 / 渦線の切り繋ぎ現象 / 渦輪の合体 |
研究概要 |
本研究では渦が局在している場合の渦度方程式を高精度で解く方法として、渦度-ベクトルポテンシャル法を採用し、渦線の切り繋ぎ、局所的な渦管の伸張のような特異的な現象を、様々な角度で衝突する二つの渦輪の例で解析を行った。流体の速度場に比べ渦度場の局在すること、渦から離れた場所でのポテンシャルは積分量にしかよらないことを考慮し、渦度の積分を使ってポテンシャルの境界値を決定した。このとき、粗視化した積分格子内の渦度を格子中心の多重極として近似を行い、従来より精度が高く計算効率の良い並列ベクトル計算機用のプログラムコードを開発した。また、異なる条件での計算を並列的に進行させ、計算途中においても詳細な解析と修正が可能とするコードの改良も行っている。このコードを用い、渦度方程式に含まれる保存量、あるいは渦度の高次モーメント間の関係式を高精度で満たしながら、特異性をもつ渦現象が数値計算できることを確認した。これらのモーメントの高次の時間微分が遠方で観測される音波の発生に関係することを利用し、遠方の渦音と渦領域の特異的な振る舞いの関係を調べた。渦音の実験報告のある二つの例について、計算による渦音の予測値と実験値は一致しており、高精度の数値計算及び空力音理論の組み合わせにより遠方音の予測が可能であると結論できた。また、渦音の発生源の推定を行い、渦間の伸張及びそれに伴う渦分布の変化が重要であり、従来音源と考えられていたような渦線の切り繋ぎ現象は本研究対象では発生音を小さくする傾向にあることを得た。さらに、衝突開始の時刻と渦線の切り繋ぎによる渦輪の合体が観測される時刻の間隔は衝突角度により大きく変動する結果も得られている。こうした現象を説明できる理論は現在のところなく、今後、このような基本的な渦現象のより詳しい解析及び理論的解明が必要だと考えられる。
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