研究概要 |
ポテンシャル論の応用について研究代表者,分担者,協力者により,多くの研究成果があがった.以下に代表者による研究成果を記す.その他は研究発表の欄を参照. 調和関数の境界値に関するFatouの定理に関連し,様々なポテンシャル論的アプローチを考察した.これは容量の仮似劣加法性から導かれることを発見した.さらに,容量と測度との関係をより深く考察し,Bessel容量とHausdorff測度,集合の拡大,Nagel-Rudin-Shapiro,Nagel-Stein型の接近領域等を総合的に研究した.この結果をアメリカ数学会誌,Hiroshima Math.J.などで発表した。 正の優調和関数,劣調和関数の可積分性に関連し,調和関数の平均の性質を研究した.リプシッツ領域に於いて調和関数がある種の密度のついた重みつき平均で表されるかどうか,特にその密度が0から離れているかについて,詳しく調べた.リプシッツ領域については完全に決定する事が出来た.この結果はアメリカ数学会誌に発表予定である. Cranston-McConnellの不等式を一般化し,一般の関数に対してよく似た形の不等式を与え,更にはMartin境界への応用を行った.これは東工大の村田教授との共同研究であり,J.Analyse Math.に発表した.さらに,不連続な優調和関数に対する一般化されたCranston-McConnellの不等式を証明した.これには抽象ポテンシャル論のfine potential論を行いた。これはPotential Analysisに発表予定である。また,この研究の内容はSwedenのLinkoping大学における国際会議で発表した. Uppsala大学のEssen教授との共著でPotential論の基礎,および様々な話題に関するLecture Notesを著し,Springer Verlagより出版した.
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