研究分担者 |
郷間 知巳 山口大学, 理学部, 助手 (70253135)
吉村 浩 山口大学, 理学部, 講師 (00182824)
中内 伸光 山口大学, 理学部, 助教授 (50180237)
小宮 克弘 山口大学, 理学部, 教授 (00034744)
三好 哲彦 山口大学, 理学部, 教授 (60040101)
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研究概要 |
1.種数gの閉リーマン面に把手を標準的に切り開くような2g個の曲線核を指定したものが,種数gのタイヒミュラー空間Tgを構成している。さて,種数gの開リーマン面に把手を標準的に切り開くような2g個の曲線核を定め、固定する。タイヒミュラー空間Tgの点で,指定された曲線同士を自然に対応させるようなRからの正則写像が存在するようなもの全体をH(R)と表す。このとき,次の結果を得た。 (1)g≦1のとき,H(R)=Tgである。 (2)g>1のとき,H(R)はTgのコンパクト部分集合である。 2.等角写像は正則写像の重要な例である。H(R)の元のうち,特にRからの等角写像が存在するようなもの全体をC(R)と表わす。Rが円環領域のとき,C(R)=H(R)であることは古くから知られていた。しかし,g≧1のとき,Rが境界付きリーマン面の内部になっていれば、C(R)はH(R)の真部分集合であることを証明した。 3.Rは境界付きリーマン面の内部で,g≧1とする。このとき,Rと同相なリーマン面Sと同相写像時j:R→Sで,jとホモトピックな正則写像R→Sは存在するが,jとホモトピックな等角的埋め込みR→Sが存在しないようなものが存在することを示した。 4.RからSの中への等角的埋め込みがあれば,RとSの曲線の双曲的長さの間にある簡単な不等式が成立するが、その不等式が等角的埋め込みを必ずしも保証しないことを示した。
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