研究分担者 |
齋藤 昇 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60221256)
丸林 英俊 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (00034702)
松岡 隆 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50127297)
松永 弘道 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30032634)
村田 博 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (20033897)
|
研究概要 |
1.零解の近傍で漸近的にp-ラプラシアンに近づく,準線形退化型楕円形方程式の解の分岐構造に対し研究結果を得ることができた.即ち,領域が軸対象な場合,対象解について,分岐解の局所的存在は即に得られていたが,本研究では,一般の有界領域において,位相幾何学よりの写像度理論を適用することにより,p-ラプラシアンの最小固有値からの解の分岐を示した.その際,非自明解の一階導関数まで込めての一様有界評価が必要になり,この証明に,研究のかなりの部分が費やされた.当成果は国際誌Adv.Diff.Eqns.にて発表される予定である. また,方程式の主要部の原点及び無限大における挙動が異なる場合においても,弱解のアプリオリ評価を示すことにより,上結果を使って解の分岐を示すことが出来た.更に,その分岐の大域挙動に対しても,半線形微分方程式におけるRabinowitzの大域分岐の結果と同様のことが成り立つことがわかった.ギリシアで開催された国際学会WCNA'96に於いてこの結果の一部を発表し,Proceedingsに掲載される予定である. 2.物理的現象に目を向け,特に懸垂線を記述する方程式の多次元一般化を考え,その変形汎関数で与えられる方程式の解についての研究を進めた.この汎関数は一般に,バナッハ多様体上で定義されたものであるが,適当な変数変換を行うことにより,普通のソボレフ空間上の汎関数とみなされることを示し,その停留関数の性質についての研究を行った.得られた結果は未だ,弱解の存在とその一様有界性のみで,きわめて不十分な状態である.現在,1.に於いてアプリオリ評価を得た方法を改善し,当方程式に適用する事を研究中である.
|