研究課題/領域番号 |
08640212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 助教授 (50220108)
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研究分担者 |
塩田 研一 高知大学, 理学部, 助教授 (50202106)
徳永 浩雄 高知大学, 理学部, 助教授 (30211395)
大坪 義夫 高知大学, 理学部, 助教授 (20136360)
長沼 英久 高知大学, 理学部, 教授 (40025408)
新関 章三 高知大学, 理学部, 教授 (60036572)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 複素力学系 / ファトウ集合 / ジュリア集合 / 超越整関数 / 単峰写像 / 分岐理論 / 表現空間 / タイヒミュラー空間 |
研究概要 |
超越整関数の力学系について研究をおこなった。特に関数族f_μ(z)=zexp(z+μ)について研究をおこなった。まずはμが実数の場合を考えた。黒田一張によるf_μのジュリア集合が複素平面全体になるようなμは無限個あることが示されている。私はそのようなμの集合のルベ-グ測度が正となることを示すことができた。証明には実力学系の単峰写像の定理を用いた。このことは、さらに力学系としてf_μは2次多項式に類似した性質を持つであろうことも示唆している。現在、超越整関数の力学系の研究対象となる関数族のひとつとして指数関数族があるが、関数族f_μは指数関数族とことなる興味深い研究対象であることがわかる。 上で述べた2次多項式との類似性についてはμのパラメータ空間の点に対してf_μの特異点の挙動で色付けをしたコンピュータグラフィックスを描くことによっても見出すことができる。これらは今後の関数族の表現空間の研究の動機づけともなる。さらに、適当なf_μに対するファトウ集合のコンピュータグラフィックスを描くと有界なファトウ成分、有界なジーゲル円板、非有界なジーゲル円板等が見出される。これらのコンピュータグラフィックスは「諸澤のホームページ」(URL http://kdrsl.math.kochi-u.ac.jp:8899/morosawa/imdexj.html/)で見ることができる。 さらに表現空間としてきちんと定義されるためには関数族f_μを含む関数族z→(az+b)exp(z)を考えるべきであろう。そして、このことはタイヒミュラー空間論をもちいても研究できるのではないかと考えられる。今後の課題として重要である。
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