研究概要 |
1. Yang-Mills方程式と関係のあるNahmの方程式がDonaldson, Kronheimerなどによって調べられている.それらの研究をリーマン対称空間の場合に拡張することを試みているが,まだ成果をまとめる段階になっていない.(関口) 2.複比多様体とルート系との関連を調べた.特にA型の場合,Terada modelと同型になることを示した.Ε_6, Ε_7型の場合には,古典的な話題である空間3次曲面,平面4次曲線のモジュライと関係するが,実射影平面上の6本と7本の直線の配置との関係を調べた.(関口) 3.孤立特異点のHodge構造に関しては様々なアプローチが,われわれの立場はCR構造から議論する.このアプローチの特徴は孤立特異点と超球の共通集合を微分幾何的に考察するところにある.また,CR構造を拡張した概念であるGeneralized Mizohata構造を研究した.(赤堀) 4. Wiener空間上の振動積分の漸近挙動を調べ,いろいろな分野への応用を試みた.その結果,α^^--Neumann問題への応用に進展があった.しかし,まだ解決しなけらばならない部分も残っている.(上木) 5.相対論的シュレディンガー作用素が絶対連続スペクトルと固有値を持つ場合に,一般固有関数と狭義の固有関数とをあわせて完全な直交関係系となることを示した.(楳田) 6.代数幾何では,しばしば,O-加群の短完全列で自明でない(O-加群としての)拡大類を持つものが現れ種種のコホモロジー群の計算を困難にするが,一方ではそのようなもので正則微分作用素によって分裂する例もかなりわかってきた.このような例について調べた.(藤原) 7.球面への新しいRestriction TheoremをBessel関数についての古典的事実を用いることによって得た.更に,極限吸収の原理についての重みつきL^p-L^q不等式を得た.これはかつてAgmonによって得られた重みつきL^2評価式に類するものである.(保城)
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