研究概要 |
本研究では,L^2[-π、π)における基底の問題と共役関数あるいはHilbert変換に対するweighted norm inequalityとの関連を実解析的に明らかにすることを目的としているが,研究分担者の1人中村昭宏(東海大開発工学部)との昨年度の討論により実数例{λ_n}において、指数関数系{e^<iλn>^x}^∞_n=-∞がminimal(1次独立性に相当する性質)になるための1つの十分条件を得ており,それは1996年4月3日新潟大における日本数学会年会実函数論分科会において中村昭宏との連名で‘Exponentail Systemのminimal性について'と題されて発表された.また,このときに使われた無限積の積分評価を変数変換により既知の評価に帰着させる方法は,指数関数系の基底に関する他の問題にも適用可能なことが中村により最近指摘され,それも今までの結果を含めていずれ公表する予定である. 現在はHruscev,NIkol'skii and PavlovのLecture Noteにおいて指摘されている指数関数系{e^<iλn>^x}^∞_n=-∞がRiesz basisあるいはunconditional basisなすための条件に現れてくるCarlesonの条件を考察している.これは本来与えられた複素数列を補間するH^∞関数が存在するための条件として出て来ているものであるがinterpolating sequencesの解に相当するH^∞関数をBlaschket積から構成する方法を単位円内において,さらに複素平面の上半平面において構成する検討を行っている.この構成が基底の問題に直接役立つという予想である. また,やはり研究分担者の1人占部正承(東海大海洋学部)は1996年4月2日新潟大における日本数学会年会応用数学分科会において‘Problem on partitioning point sets in the space'の発表を行っている.
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