研究課題/領域番号 |
08640242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20111825)
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研究分担者 |
中島 主恵 早稲田大学, 理工学部, 学振研究員
田中 和永 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (20188288)
西原 健二 早稲田大学, 政経学部, 教授 (60141876)
大谷 光春 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30119656)
堤 正義 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063774)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 反応拡散方程式 / ロトカーボルテラ型 / 非線形拡散 / 正値定常解 / 準線形拡散方程式 |
研究概要 |
今年度の研究成果は、"cross-diffusion"と呼ばれる拡散項をもつLotka-Volterra型モデルに対する定常解集合の研究と、退化型拡散項(p-Laplacian)をもつ放物型方程式の解のダイナミックスの研究の二つに分けられる。 1.数理生態学における"biodiffusion"のなかには"cross-diffusion"と呼ばれる重要な非線形拡散がある。同一の領域で生存競争している2種以上の生物の固体密度を未知関数として定式化すると、"cross-diffusion"の効果により、拡散係数が固体密度にも依存するような準線形拡散方程式系となる。このようなモデルは1979年に提起され、数値実験では分岐やパターンの形成などの興味深い現象が見られるにもかかわらず、理論的な解析は十分ではない。我々の研究グループは数年前から正値定常解集合の解明に取り組み、正値解が存在するための十分条件や必要条件を見いだしている。今年度は解の多重性に関して非線形拡散がいかなる影響を及ぼすかを調べ、写像度の理論と分岐理論を組み合わせて、正値定常解が2個以上存在する状況を新たに発見した。 2.p-Laplacianを含む拡散方程式にたいしてChafee-Infanteタイプの非線形項を付け加え、解の挙動、定常解集合の構造、安定性を研究した。空間次元1のケースに限定されるが、定常解集合の構造を完全に解明することができた。とくにp-Laplacianの退化性のため、定常解集合の構造は非退化のときと全く異なり、非可算集合となる。さらに、解のプロフィール、解の分岐構造、解の個数、安定性について今まで知られていなかった情報が得られた。今後は、空間次元の高いときの解集合の構造も調べたい。
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