研究課題/領域番号 |
08640257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 渉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (40016142)
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研究分担者 |
小島 定吉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90117705)
鵜飼 正二 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (30047170)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 神経方程式 / 摂動法 / 分岐理論 / 漸近展開 / 力学系理論 / 不動点理論 / 進行波解 / 随伴系 |
研究概要 |
本研究は「神経方程式における過渡的現象の解析」と題して、神経方程式における過渡的現象の基本的性質を明らかにすることを目的として研究がなされた。特に進行波解のまわりの線形化方程式の随伴系の性質を用いて、安定な進行波解に外乱を加えたときの応答、2個のパルスが同時に神経繊維上を伝播しているときのパルス間相互作用、周期的進行波に周期の乱れがある場合にこの乱れが時間的にどのように発展していくかについて調べた。まず、神経方程式の過渡的現象を数学的に把握し、それらを数学的に再構成してみたところ、従来の摂動法、分岐理論的手法を発展させるとともに、新たな手法を開発して組み合わせることが必要であることがわかった。具体的には、随伴系の性質の応用、特異摂動法、漸近展開、無限次元力学系理論に基づくアプローチ、不動点理論の応用などが有望であると考えられた。そこで、その研究を進め、いくつかの有用な結果を得た。また、それはこれまで内外で研究されていた数学的理論を介在にすると、非線形解析学などで重要である無限次元力学系理論と非線形不動点理論の問題とも結び付けることができ、その方面でもかなりの成果を得た。これらの結果は内外の雑誌や日本数学会で公表され、非常に関心をもたれた。また最近諸外国で引用されはじめたことを報告しておきたい。ただし、数値的に捉えた過渡的現象の性質を数学的に厳密に証明することは一般には容易ではなかった。そこで、数学的に困難な部分は数値的な結果で補い、可能な部分についてはできる限り証明を与えるという、数学的に厳密な部分と数値的な結果を融合した形で研究した。これらの成果は本当に予想以上であった。これは夏休みを利用しての大量の文献収集やその整理、ならびにこの問題に興味を持っている他大学の研究者との数多くの研究打ち合わせや討論が、功を奏した結果であろう。
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