研究課題/領域番号 |
08640278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白旗 慎悟 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10037294)
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研究分担者 |
熊谷 悦生 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20273617)
磯貝 恭史 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00109860)
安芸 重雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90132696)
稲垣 宣生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10000184)
後藤 昌司 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00273615)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 対称性 / 統計グラフィックス / ノンパラメトリックス / 順位統計量 / 仮説検定 / 漸近相対効率 |
研究概要 |
分布の原点に関する対称性を調べることは処理前後の観測値の差により処理効果を調べるときに重要である。対称性の検定では、観測値の正規性が成立すれば通常のt-統計量が用いられるが、正規性が成立しなければノンパラメトリック統計量を用いる必要がある。対称性の崩れが位置母数で表されるならノンパラメトリック統計量の中でも線形順位統計量が用いられ、また正規性が成立していて高い効率を持つ。しかしながら、一般にはこのようなきれいな仮定が成立するとはかぎらない。本研究では正規性や位置母数の仮定が成立しなくても対称性の考察に有効なデータのグラフ表現法について考察し、以下の実績をあげた。(1)連結線分図を用いたデータのグラフ表現法を構成した。グラフは、もし対称性が成立すれば縦軸に沿って原点からある定点に向かい、対称性が崩れていればある特定のパターンが出るように構成されている。このグラフを見ることにより視覚情報が得られ、適切な統計量の選択や仮説の崩れの方向を確認できる。線形順位統計量はグラフ内の一点で表現される。(2)対称性の崩れを見るための標本指標を、片側仮説、両側仮説にわたって数種類構成した。これらの指標を検定統計量として用いることができる。(3)検定統計量の分布を調べた。統計量のいくつかはスコアを変形させた線形順位統計量となり、漸近正規性が成立する。非線形な統計量の分布は理論的には導けなかったが、コンピュータシミュレーションで調べた。(4)従来からある線形順位統計量との相対効率を調べた。新しい統計量は位置母数の仮定が成立していても従来の物に遜色なく、仮定が崩れればより良いことが分かった。さらにシミュレーションにより検出力も調べた。(5)得られた成果は現在とりまとめており、学術雑誌に投稿する。
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