研究課題/領域番号 |
08640286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
間瀬 茂 広島大学, 総合科学部, 教授 (70108190)
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研究分担者 |
足立 匡義 広島大学, 総合科学部, 助手 (30281158)
中原 早生 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80115899)
新井 敏康 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40193049)
西井 龍映 広島大学, 総合科学部, 教授 (40127684)
桑田 正秀 広島大学, 総合科学部, 教授 (10144891)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ギブス分布 / 空間統計学 / 空間点過程 / マーク付き点過程 / 最大疑似尤度推定量 / 漸近正規性 / しきい値法 / ポテンシャル関数 |
研究概要 |
空間内のランダムな点配置として観測されるデータに対し、統計力学由来のギブス確率場モデルを当てはめ、点配置間に働く誘引・反発の力をポテンシャル関数として推定する問題を研究した。推定量として近年注目を集めている最大疑似尤度推定量を取り上げ研究した。特にこの研究では、単に点配置だけでなく各点に付随する観測量があるマーク付きギブス場を主として考察した。マーク付きポテンシャル関数の定義から出発し、空間内にグローバルに定義されるマーク付きギブス場の存在をRuelleのsuperstableポテンシャルギブス場の理論を用いて構成した。次にマーク付きポテンシャル関数の疑似尤度の概念を定義し、それを最大化するポテンシャルとしてその最大疑似尤度推定量定義した。次にその基本的理論的性質として、1)強一致性,2)漸近正規性,の二つを証明することに成功した。この成果は97年の一月にドイツのオーベルボルファッハ数学研究所で開かれた点過程理論に関する国際集会で招待講演として発表される。またマーク付ギブス確率場の応用として、熱帯地域の総降雨量をレーダー観測値から推定する有力手法である、閾値法の有効性を議論した。まず、地域毎の降雨量を離散化した降雨点の作る確率場と、その上に存在する潜在的な降雨量確率場の二つを考え、その合成として実際の観測降雨量確率場を構成する。この時、もし基礎となる降雨地域確率場が非エルゴード的(相異なる降雨状態の混在)であれば、降雨量の分散が漸近的に発散することを示した。それよりある閾値を越える降雨量を持つ地域の面積と、実際の降雨量の間に、漸近的に1の相関があることを示すことにより、実際のデータで確認されている閾値法の有効性を理論的に根拠づけた。
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