研究課題/領域番号 |
08640319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
梅林 豊治 山形大学, 総合情報処理センター, 助教授 (60183753)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 星間分子 / 暗黒星雲 / 星の形成 / 化学反応ネットワーク / 原始惑星系円盤 / 化学進化 / イオン・分子反応 |
研究概要 |
この研究は、暗黒星雲が重力収縮して恒星とそのまわりに存在する惑星系を形成するまでのさまざまな進化の段階において、星間分子の形成過程を理論的に調べ、観測と比較することによって、星と惑星系を形成する物質がどのような化学進化をしてきたかを明らかにすることを目的としている。研究全体は、暗黒星雲から星と惑星系に至るまでのさまざまな段階での物質進化の解明を含んでいるが、本研究課題の実施期間に行われた研究によって得られた成果は、次のとおりである。 1.物質の化学進化を解明するために不可欠な化学反応ネットワークについて大幅な拡張を行い、主要な10種類の元素から構成された粒子(分子、イオンなど)を372種類含み、反応総数4095種類に及ぶネットワークを構築した。この反応ネットワークは、観測的に重要なほとんどすべての粒子を含むネットワークであり、現段階で得られる最新の反応係数を採用したデータベースとなっている。 2.重力収縮するガス雲における物質の化学進化を調べるため、この大規模な反応ネットワークを使用して「疑似時間依存モデル」の場合について分子存在量の時間進化をもとめ、暗黒星雲で観測されている炭素鎖分子などを形成するために必要な、密度・温度などの物理的条件と反応モデルを明らかにした。 3.原始星やTタウリ型星の周りに存在するガス円盤の化学進化を、特に気相にある分子やイオンが固体微粒子(ダスト)表面に吸着される過程を含めて調べ、このようなガス円盤ではダストの氷マントルに酸化物質(CO2)と還元物質(NH3)が自然に共存できることを明らかにした。また、質量降着の有無がガス円盤の化学進化に及ぼす影響を調べた。
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