研究課題/領域番号 |
08640350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青木 慎也 筑波大学, 物理学系, 助教授 (30192454)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 格子QCD / 有限温度相転移 / 格子QCDの相構造 / パリティ・フレーバー対称性の自然的破れ / ウィルソン・フェルミオン作用 / ウィルソン・フェルミオン / パリティー・フレーバー対称性の破れ / パイ中間子 / 連続極限 / 2次相転移 / 改良された作用 |
研究概要 |
格子QCDの数値計算ではウィルソン・フェルミオンと呼ばれる定式化を用いるが、この方法はカイラル対称性をあらわに壊してしまうために相構造そのものがよく理解されていなかった。代表研究者は以前の研究で、ウィルソン・フェルミオンの格子QCDに存在するゼロ質量のパイ中間子をパリティ・フレーバー対称性を破る相転移に付随するゼロ・モードを解釈できることを発見し、クォークのフレーバー数が2の場合の有限温度の相構造を明らかにした。本研究ではこれを発展させ、有限温度相転移の研究をおこなった。 1.フレーバー数が4の場合の有限温度の相構造と調べ、2フレーバーの場合と類似の構造をしていることを発見した。とくに、パイ中間子の質量がゼロになる相転移線が有限の結合定数のところでカスプ構造をなすこと、また、そのカスプ構造をかすめるように有限温度の相転移線が走っていること、を示した。また、有限温度相転移が予想とは違って2次転移らしいことも明らかにした。 2.2フレーバー、4フレーバーの両者の場合に、連続極限への近づき方を調べ、カスプ構造の変化が小さいことを見いだした。 3.3フレーバーの場合にもカスプ構造を確認し、また、いままで強い1次転移だと思われていたものが、実際はそうではなく2次転移の可能性もあることを指摘した。 4.パリティ・フレーバー対称性の破れのオーダーパラメタに対する外場を加えたシミュレーションを2フレーバーの場合におこなって、予想通りに対称性の破れが起こっていることを確認した。 5.改良された格子作用の場合にも、同様なカスプ構造の存在を確認した。
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