研究課題/領域番号 |
08640351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中畑 雅行 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (70192672)
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研究分担者 |
三浦 真 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10272519)
福田 善之 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40272520)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ニュートリノ / 太陽ニュートリノ / ニュートリノ振動 / スーパーカミオカンデ / 電子発生装置 |
研究概要 |
本研究では、1996年4月よりスタートしたスーパー神岡実験装置が捕らえた太陽ニュートリノのデータを用いニュートリノ振動の研究を行った。スーパー神岡実験装置は、神岡実験と同様に太陽ニュートリノを電子との散乱を用いて観測する。スーパー神岡実験装置は、22、000トンの有効体積を持ち、一日当り10-20個の太陽ニュートリノ現象を捕らえることができ、今までの太陽ニュートリノ実験に比べて格段に多くの統計量を誇る。そこでスーパー神岡実験では、ニュートリノ振動から予測される強度の夜昼変動、エネルギースペクトルの歪みといったものを観測することが可能である。これらは、純粋にニュートリノの素粒子的な性質によるものであり、太陽モデルの不確定性にまったく因らない現象である。本研究を行う上で最も重要であったのは、装置のエネルギー較正であった。本研究では、電子発生装置を用いて装置を1%以下の精度で較正した。そして平成8年度、9年度に取得した374日分のデータを処理した。得られた太陽ニュートリノの強度は、標準太陽モデルの35.8%であり、従来からの太陽ニュートリノ問題に対して非常に良い統計精度で再確認をした。夜昼変動については現在のところ統計的に有意な変動は認められていない。エネルギースペクトルの歪みに関しても現在のところは有意な結果は得られていない。本研究からニュートリノ振動に対して今まで以上の制限をつけることができた。また、本研究で行ったエネルギー較正を基に、後もう数年データが貯まればニュートリノ振動の是非について決定的な判断を与えることができることがわかった。
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