1.前年度補助金対象研究として開発したLEP2実験における様々な超対称性粒子探索を包括的に行う為に有用な事象生成プログラム「SUSY23」新バージョン(Version2)を用いて、様々な超対称性粒子生成過程の解析を行った。特にスピンがゼロではない粒子が生成される場合、そのスピンの影響が不安定粒子崩壊後の終状態粒子の様々な運動学的諸量の分布に現れること(スピン相関)を示した。 2.「SUSY23」では部分的に取り入れられていた「スピン相関」効果を、チャージーノ対生成に対して厳密に取り入れるべく、自動計算プログラム「GRACE」を用いて新たな粒子生成シミュレーションプログラムの開発を行った。 3.「GRACE」を用いて、電子・陽電子加速器で軽いヒッグス粒子がスカラートップ粒子対と同時生成される過程に着目し、これを用いて実験的に超対称性理論模型の任意パラメータがどのように制限され得るか明らかにした。 4.HERA加速器のH1実験グループから報告された、大きな横運動量をもつレプトン生成事象について、スカラートップやスカラーチャーム粒子が単独生成されたシナリオで説明可能かどうか解析を行った。 5.重いスカラートップやスカラーボトム粒子がヒッグス粒子やゲージボソンに崩壊する場合について解析を行った。
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