研究課題/領域番号 |
08640472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀口 剛 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30005558)
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研究分担者 |
本田 泰 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20241531)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 層状磁性体 / XY模型 / KT転移 / カイラリティ転移 / モンテカルロ法 / 有限サイズスケーリング / イジング模型 / フラストレーション / 有限シズスケーリング |
研究概要 |
平成8年度の研究で、2層三角格子上のXY模型において比熱に2つの発散するピークが存在し、低温側のピークはカイラリティの特異な振る舞いに依る新しい相転移であることを解明した。このことを踏まえて、平成9年度の研究で、この新しい相転移の詳細な研究を行い、低温側の相転移はフラストレートしている層とフラストレートしていない層との競合により発現するものであり、比熱の臨界指数をα、カイラリティの急激な変化を表す臨界指数βとすると、有限サイズスケーリングの解析により、α=0.29(9)、β=0.253(3)を得た。このことは低温側の臨界現象が既存のものとは異なる新しい臨界現象であることを示している(Physica A、投稿中)。この新しい臨界現象の普遍性を調べるために、3層三角格子上のXY模型において、上面と下面にフラストレーションがあり、中間の層にはフラストレーションがない場合について、モンテカルロ数値実験を行い、2つの転移温度があり、低温側の相転移の性質が2層の場合と同じであることを示した(プレプリント)。さらに4層格子上の体系について研究し、その結果は平成10年度の春の物理学会に発表予定である。 カイラリティがイジングスピンの性質を持つことから、2層格子上のイジング模型の臨界現象を研究した(Physica A、238(1997)295、JPSJ、66、(1997)3053、JPSJ、67(1998)to appear)。1層格子上のXY模型を研究するための密度行列繰り込み群の方法を開発した(PRE、56(1997)3920)。この方法を2層格子上のXY模型を、面内で分子場近似を行い1次元系として近似し研究した(Physica A、投稿中)。
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