研究課題/領域番号 |
08640480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
太田 隆夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50127990)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 反応拡散系 / パルス / 衝突と分裂 / パルスダイナミクス / 分岐 / パルス間相互作用 / 非線形散逸系 / 興奮性 / 界面方程式 / 弾性的衝突 / パルス方程式 / 複素ギンツブルグランダウ方程式 |
研究概要 |
本研究では反応拡散系におけるパルスの衝突と分裂について理論的な解析と計算機シミュレーションを行なった。パルスの衝突は以下のように、大きく分けて二つに分類できる。そのひとつは上に述べた弾性的衝突である。この場合、二つのパルスは互いに重なることなく、有限の距離に近づいたとき進行方向を反転する。これをハードコリジョンとよぼう。もうひとつはふたつのパルスが衝突において互いに重なり合い、いったん消滅し、その後復活して逆向きに走り去る場合である。これをソフトコリジョンをよぶ。後者は可積分系のソリトンの振る舞いにより近い。 本研究によって相互作用するパルスダイナミクスを定式化し、ハードコリジョンのメカニズムにほぼ解明された。すなわち、この現象では動かないパルスから伝搬するパルスへのス-パクリテカルな分岐の存在が本質的である。この分岐直下ではパルスの速度は十分遅いため、パルス間に斥力相互作用が働くとき、その斥力を凌駕する運動エネルギーをもてず、その結果、反射が起こるのである。この事実は計算機実験で、なぜ弾性的反射が狭いパラメータでしかみられないかをも説明するものである。 衝突プロセスがより複雑なソフトコリジョンの理論的研究は今後の課題である。ひとつのアプローチは可積分系に散逸項を摂動として取り入れて検討することであろう。もうひとつは衝突前後において系が興奮性→振動性→興奮性へと変化することをうまく定式化することであろう。
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