研究課題/領域番号 |
08640505
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤 定義 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10217458)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 乱流 / 熱対流 / 壁乱流 / 間欠性 / 秩序構造 / エントロピーカスケード / ストリーク / 構造 / 秩序形成 / 巨視的秩序 / カスケード / ウェーブレット / エントロピー |
研究概要 |
発達した乱流中の構造及びその動力学に関し主に以下の3つの成果を得た。 1.2次元一様熱対流乱流では、エントロピーカスケードが乱流輸送を支配している。3次元ナビエ=ストークス乱流同様、カスケードは間欠的である。間欠性を定量的に評価するために、ESS手法をもちいて直接構造関数を計算し指数を求めた。その結果、ESS手法は有効であり、もっともらしい結果を与えるが、既存の間欠性理論では説明できないことが判明した。これは、間欠性のモデルが散逸率の間欠性に基づいており、速度差や温度差の統計を直接反映しないためである。現在、モデルの拡張を行っている。 2.カスケード間欠性の動力学的側面を、特性時間に着目し調べた。間欠性を担う構造は相関時間の揺らぎが小さく、時間、スケール的に相関が強いことを明らかにした。これに対し、間欠性を示さない一様乱れが構造の背景に存在し系全体のエントロピーの大半を保持しており、この平均場のスケーリングが間欠的な構造の持つ特性時間のスケーリングを決めていることを、直接数値シミュレーション、シェルモデルを用いて明らかにした。 境界層乱流において、様々な秩序構造のうちストリークを壁付近から外層まで一意的に定義する手法と可視化法を提案し、乱流統計へのストリークの寄与を明かにした。特に、これまであまり注目されていなかった粘性底層での秩序構造の役割の重要性を示唆し、ダイナミックスをストリークの振舞によってその発展プロセスのステージに分類することが出来ることを明かにした。更に、ストリークの発展段階に観測される3次元構造を系の対称性を用いた議論で説明できることを示した。
|