研究課題/領域番号 |
08640558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宗像 一起 信州大学, 理学部, 教授 (40221618)
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研究分担者 |
藤井 善次郎 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10022724)
加藤 千尋 信州大学, 理学部, 助手 (50252060)
安江 新一 信州大学, 理学部, 講師 (80020668)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 銀河宇宙線 / 高エネルギー限界領域 / 多方向ミューオン計 / 太陽時日変化異方性 / 南北非対称性 / 宇宙線密度勾配 / 宇宙線変調 / 南北異方性 / 散乱平均自由行程 |
研究概要 |
1978年から1995年の18年間にNagoya(^〜60GV)、Misato(^〜145GV)、Sakashita(^〜331GV)の三つの多方向ミューオン計で観測された太陽時日変化の解析を行い、高エネルギー領域での輸送パラメータを調べた。特に今年度は、太陽磁場のセクターごとに解析を行うことで磁場反転に伴って変化する太陽時日変化異方性を求め、太陽磁気中性面の南北にまたがる緯度方向密度勾配の長期変動の様子を調べた。その際、1992年から開始したタスマニア・ホバ-トと名古屋による南北両半球観測結果から、異なるセクターで観測された日変化の差には南北反対称成分からの寄与が無視できないことを示した。したがって、長周期変動の解析でも南北対称成分とともに反対称成分も考慮して調べた。その結果、南北対称成分の位相は局所太陽時で常に3時または15時付近にあり、太陽磁場と緯度方向密度勾配とのベクトル積で表わされる宇宙線の流れの描像を裏付けていることが分かった。一方、この成分から導かれる緯度方向密度勾配は年毎に変化しており、特に太陽活動等と相関した11年や22年周期の変化は見られなかった。ただし、1980年代後半からは常に磁気中性面の南側で宇宙線密度が高くなっている様子が見られた。一方、南北反対称成分の位相は北半球で常に15時付近にあることが分かった。このことは、Munakata and Nagashima(1986)による2次異方性に対する定式に基づくと、宇宙線密度分布に存在する2次の空間勾配が常に一定の極性を示すことを意味しており、ドリフトモデルを検証する上で興味深い示唆を与えている。さらに、南北対称成分の限界リジディティーが全期間の平均で383.9±87.2GVと大変高いことが分かった。この理由は今のところ明らかでないが、前年度の解析でセクターに依存した恒星時日変化がやはり非常に高い限界ジディティーを示したことと併せて考えると大変興味深い現象である。
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